※夏に書いた記事です。
こんにちは、中田です。
8月4日のバレーボールミーティング2019に向けて、福岡に向かっています。新幹線の中で読んでいる本に、こんな言葉が出てきました。
バレーボールの勝敗を決めるのは”サーブ”!!
ちなみにこの言葉、全日本の元スーパーエース、山本隆弘さんが書いた
「バレーボール超観戦術 数の視点で、プレーの駆け引きを読み解く」
という本に書かれています。
サーブがすべてを決めるかというと、ウ~ン。な感じはしますが、割と的を得ているのではないかと思います。
どういうことか、書いていきたいと思います。
そもそも
サーブは、入れてナンボのものだった
というところから。
試合観戦に行くと、しばしばこんな場面に出くわします。↓
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3セット目、デュースの場面。どちらも同点です。
サーブの笛が鳴り、観客席から声援が飛びます。
「サーブ、入れてけー!!!」
選手はライン際を狙ってサーブを打ちますが、惜しくもアウト。
観客席からは、
「あ~あ。」というため息。
結局、そのセットは落としてしまいました。
「サーブミス、モッタイナイ…」
―完―
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いかがでしたか?きっと心当たりがありますよね。
上の場面では、観客は間違ったことは何一つ言っていません。
「サーブが入っていれば勝てたかも。」その通り。
「あの場面でサーブミスはダメだよ。」それも合っています。
そんなこと、選手だって分かっていますよ。
サーブは入ったほうがいいに決まっているし、
サーブミスしたい選手なんて一人としていません。
では、なぜサーブミスが生まれるのか。
それは、現代バレーの戦術レベルが高くなってきているからです。
サーブの歴史を辿ってみます。
昔は、一人のエースが大活躍し、とにかくトスを上げる先はエース、エース、エース。決めきれなかったらエースが悪い。試合に負けたらエースの実力不足。
(私がエースだったら干からびてしまいそうです…)
そんな中、対エースのブロック戦術や、ブロックとレシーブを連携させる考え方が生まれてきました。
例えば、ブロックの枚数を増やす。
例えば、ブロックがワンタッチすることを想定したレシーブの位置取りをする。
対エースのことをメインに考えれば良かったのですから、
プレー中は初めから相手エースに合わせて位置取りさえすればよかった。
この時点では、サーブで相手を崩すメリットは今ほどにはありませんでした。
変わったのは、攻撃戦術でした。
今、攻撃戦術のスタンダードはどうなっているのか。
端的に言うと、
一人のエースではなく、それぞれのアタッカーが満遍なく得点する
という状況を理想としています。
ということは、相手のエースばかりに執着しているわけにはいかないわけです。
エースはエースの攻撃力をもちながら、他のアタッカーもあの手この手でグイグイ打ち込んでくる時代です。
リードブロックやバンチシフトなどは、ここから生まれています。
そして一番の守備戦術として注目され始まったものがありました。
そうです、サーブです。
例えば、エンドラインの辺りからクイックを打って得点するのって、無理がありますよね。
サーブで相手を崩すことでトスの上がる先を限定し、ディフェンス優位にもち込む。
そういったわけで、従来よりも強化されたサーブが次々に開発されたのです。
ですが、有効なサーブを打とうとすると、それだけギリギリを狙ったり、フルパワーで腕を振る必要があります。
要するに、リスクとリターンの問題です。
サーブは攻めなければならない。
しかし、攻めれば攻めるほどアウトやネットになる確率は上がる。
そのことをチーム(観客含む)として理解しているのと、理解していないのではチームの質が違います。
以下、まとめ。
現代のバレーボールでは、
〇サーブはプレーの初めの、個人による攻撃である。
〇それと同時に、守備の起点である。
〇よって、サーブは攻めるもの。
〇攻めるサーブを打つことは、リスクを伴う。
今、岡山を過ぎたところです。
ではまた再見!