スクール代表の中田です。
- 教えている生徒がせっかくのアドバイスを嫌がる
- 子どもが正しい理論を聞き入れてくれない
そういった悩みをもっているあなたは、ちょっとした言葉かけの意識でサクッと解決できるかもしれません。
子どもを伸ばすための魔法の比率というものがあります。この記事ではそれを紹介します。
人間は指摘を嫌がる生き物
子どもの頃のことを思い返してみてください。
何か良くない事をして、学校の先生に指摘されたことはありませんか?
- 廊下を走るな!
- 言葉遣いが悪い!
- 人が話しているときにしゃべるな!
家の人で言えば
- 早く寝なさい!
- ゲームばっかりしてないで勉強しなさい!
- まじめに部活に取り組みなさい!
(嫌な思い出って、なんでこうポンポン思い出せるんでしょうね…)
どれも正論ですが、不思議なことにこれらを言われるとすごく嫌な気分になるんですよね。
こういったことを言われて素直に改善できる人は、人間ができています。指摘に対して、
「うん!ごめんね!言ってくれてありがとう!」
なんてなかなか言えないですよね…
人間は他人から指摘されるのを嫌がるようにできています。
指摘が必要なこともある
ここからはスポーツ指導の話になります。
自分から取り組むことは大切ですが、自己流でやっていてもうまくいかないことはあります。
指導者は生徒を見ていると、どう改善したら生徒がもっと良いプレイができるようになるかが見えます。
そしてアドバイスを送ったり気付かせる質問をしたりすることで、生徒に上達してもらおうと考えるものです。
指摘は必要ですが、人間は指摘を嫌がる生き物です。
では一体どうしたら良いのでしょうか?
指摘を受け入れるためのポジティブワード
例えばバレーボールでアタックをネットにかけてミスしたとき。
- 何弱々しいプレイしてんだ!これで負けたらお前のせいだ!
- 助走良し、テイクバック良し!もっと自信もって、思い切ってスイングしてみなさい!
どちらも指摘です。どちらの方が次のプレーにつながる良い指摘でしょうか?
明確に後者と答えられるのではないでしょうか。
サーブレシーブを弾いてしまったとき。
- ほらー、ちゃんと面つくらないからミスるんだよ!
- ボールへの反応OK、意思表示OK!あとは面を整えることに集中しよう!
明らかに後者の方が効果的な指摘であることが分かるかと思います。
お気付きの通り。人間はポジティブな言葉をかけられることで指摘を受け入れる準備をすることができるのです。
ポジティブ探しは指導者の力量
そうはいっても、悪いプレーは悪いプレー。悪いものはよく見えてしまうものです。
そして、思い通りにいかないとイライラしてきます。
この状況で生徒の悪いところの指摘だけをすることは、誰にでもできますよね。
悪いプレーを見たときにポジティブな発言を入れられるかどうか。これが指導者の力量です。
ただしポジティブといっても、決して嘘をついてはいけません。
魔法の比率は「5:1」
ポジティブな発言をどのくらい多くして、指摘をどのくらいするのが良いのか。
生徒が指摘を受け入れやすい魔法の比率「ポジティブ:指摘=5:1」と言われています。
1つの指摘につき、5つのポジティブ発言をするということです。
これがなかなか難しく、一朝一夕でできるものではありません。
コーチングに正解はありません。目の前の生徒によって最適解が変わります。
とにかくじっくり、根気強く観察すること。観察する事で「努力していること・できるようになったこと」が見えてきます。
ひたすらに生徒を観察することで「嘘をつくことなく5:1の比率でポジティブ発言を入れる」ことができます。
熟達したコーチは自然とこれをやっているのです。
学び続ける指導者
最近、私もここにきてようやくポジティブ発言を増やすことができてきました。
- 「なんでも吸収しようとする姿勢が良いね」
- 「自主練習を頑張ったから成果が出てるね」
- 「声かけが上手になったから、アタッカーが生き生きしているよ」
生徒が努力して成長してくれているのはもちろんのこと
研修を積み重ねて私自身のコーチングの視点が増えたことも要因になっていると感じます。
言葉一つで生徒は見違えるように変わります。それが指導者のやりがいです。
知識をアップデートして良い教育を実践するために、学び続ける指導者であり続けたいものです。